いじめ防止基本方針

令和 7年4月改訂 

はじめに 

  全ての子どもは,かけがえのない存在であり,一人一人の心と体は大切にされなければなりません。子どもの心と体に深刻な被害をもたらすいじめは,教育の根幹を揺るがす問題であり,決して許すことのできないことです。いじめ は,いじめを受けた児童の教育を受ける権利を著しく侵害し,その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与  えるのみならず,その生命又は身体に重大な危険を生じさせるおそれがあるものです。

  本校では,これまでも,いじめは決して許されない行為であり,いじめられている子どもは最後まで守り通し,いじめをしている子どもにはその行為を許さず,毅然と指導するという全職員の共通理解のもとに,どの子どもにも,どの学校でも起こりうるものであることを十分に認識した上で,その未然防止や早期発見・早期解消に努めてきたところです。

  今の時代は特に,どの子どももいじめの対象として被害者にも加害者にもなり得ることがあります。児童にかかわる保護者,地域住民等の大人が一体となって,いじめを防止し,次代を担う子どもが健やかに成長し,安心して学び生活することのできる環境を整えることが大切です。

 そのため,本校においては,「いじめ防止対策推進法」に基づき,「いじめの防止等のための基本的な方針(以下「国の基本方針」という。)」等を参考に,いじめの防止等の対策を総合的かつ効果的に推進するための「いじめ防止基本方針」を策定するとともに,学校いじめ対策組織を設置し,いじめ防止の推進に向けた取組の充実と適切で迅速な対処に努めてきました。

 北海道では、平成26年4月に「北海道いじめ防止等に関する条例」(以下「道条例」という。)を施行しました。「北海道いじめ防止基本方針」(以下「道の基本方針」という。)は、国の「いじめ防止対策推進法」(以下「法」という。)第12条の規定に基づき、国の「いじめの防止等のための基本的な方針」(以下「国の基本方針」という。)、北海道におけるいじめの防止等の対策の基本的な方向や具体的な内容を示すために策定されました。今般、施行後3年を目途とする道条例の見直し規定に基づき、国の基本方針が改訂されたことを踏まえ、平成30年2月に道の基本方針も改訂されました。

 このたび、道の基本方針が改訂されたことに伴い、枝幸町(以下「町」という。)・ 枝幸町教育委員会(以下「教育委員会」という。)においても、町における行政・学校・保護者・地域等が連携したいじめの防止等の取組をこれまで以上に推進していくために、道の基本方針を参酌し、「枝幸町いじめ防止基本方針」を策定しました。この「枝幸町いじめ防止基本方針」に示すいじめの防止等の対策は、町の児童生徒の生命及び

 心身を保護することが最も重要であると認識し、学校・家庭・地域住民・行政その他の関係者の相互の連携協力の下、町全体でいじめの問題を克服することを目指して行うものです。

 本校においては,町の方針を受けて「いじめ防止基本方針」を改訂するとともに,学校いじめ対策組織を活性化し,いじめ防止の取組の充実と適切で迅速な対処を図ってまいります。

 

~保護者とともに~

 「いじめ」は子どもの世界だけでなく、職場などの大人の世界、また世界各国で起こっている人間社会全体の問題です。当然、本校においても無縁ではなく、どの児童にも起こり得るという認識をもっています。さらに「いじめ行為」は確認されなくても、人間には誰にでも「いじめ心」があると考えます。いじめ指導はこの「いじめ心」との戦いです。

 社会からいじめを全てなくすことは不可能かもしれませんが、私たち教職員は、風烈布小学校という限定された子どもたちの生活空間から「いじめ行為」を排除することは可能だと信じています。その鍵は、子どもたちの「いじめ心」を「思いやりの心」に変え、親と教師が人としてしてはいけないことを真剣に子どもたちに教えていけるかどうかだと考えます。全国で起きている悲劇がわが子、わが児童に起きることがないよう家庭と学校がそれぞれの役割を果たしていきましょう。

 

1 基本的な考え方・認識

 法によるいじめの定義は、「児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているもの」ですが、いじめはときには心身の障害や不登校、さらには自殺にまで追い込むことさえあり得る重大問題であることから、本校は「本人の心身の苦痛」の有無にかかわらず、「いじめ行為」と思われる場合は躊躇なく指導します。また、「いじめ行為」の多くは犯罪であるという視点からも指導を行います。

 一方、いじめは、思いやりの欠如、自尊感情の弱さ、自立(律)心の未成熟等、心の問題が本質であるという認識に立ち、未然防止・早期発見・対処のいずれの段階においても「心の育成」を基本とし、全ての子どもが安心でき、自己有用感や充実感を感じられる学校づくりを以下の方針をもって取り組みます。

 

2 行動方針

Ⅰ いじめの未然防止

 ① いじめにつながる行為をすることを絶対に許さないとする信念をもって、毅然とした指導をします。

 ② 教科指導、道徳教育、特別活動(体験活動)等を通して好ましい人的関係のあり方を指導し、正しい行動が支持される集団(学級や児童会等)づくりを行います。

 ③ わかる授業づくりを通して学力を向上させ、児童に知性と理性を育てます。

 ④ インターネットを通じて行われるいじめについては、情報モラルの向上とともに、本質的には人的関係のあり方が課題であるととらえ、個の自立と集団の自律を高める教育活動を行います。

 ⑤ 教職員は毎年いじめに関する研修を必修とします。

 ⑥ 保護者懇談会や通信等を通じて、いじめについての啓発活動を行います。

 

Ⅱ いじめの早期発見

 ① いじめアンケートの活用や日常観察、定期的な教育相談を実施し、いじめの芽を早期に把握します。

 ② 児童とのコミュニケーションを心掛け、相談しやすい信頼関係の構築に努めます。

 

 ③ 児童の表情やサインを見逃さず、教職員全員で情報の共有化を図ります。

 ④ 相談しやすい児童と教師、保護者と教師(学校)の関係を築けるよう親近感、信頼感の醸成を意識しながら、学習指導、学級活動、学校行事、PTA活動に取り組みます。

 ⑤ ネットパトロールを定期的に実施し、インターネット上のいじめの芽を早期に発見します。

 ⑥ 外部機関を含む通報、相談窓口を児童や保護者に明示し、相談体制を整備します。

 

Ⅲ いじめの対処

いじめを発見またはいじめに関する相談があった場合、以下の手順に従って対応します。

 ① 事実確認と分析

  ・ 直ちに事実の確認を正確に行い、整理します。(複数対応・文書による記録)

 

 ② 問題点の把握と指導の手立ての共通理解

  ・ 校内いじめ防止委員会を開き、情報の把握と記録を行うとともに、指導方針と計画を立案します。

  ・ 職員会議において全教職員が事実の把握と指導方針を確認し、指導体制を整えます。

 

 ③ 当該児童及び集団への指導

  いじめの多くが親密、身近な関係で起きていることや加害児童と被害児童が入れ替わりやすい特徴があることを踏まえた指導方針及び見通しをもって指導にあたります。その上で、

 ・ 加害児童については、いじめの背景を踏まえた上で、生活改善を含めて同じ過ちを繰り返さないよ

うに指導します。

 ・ 被害児童の心のケアを行うとともに、所属集団を含めた再発防止に努めます。

 ・ 家庭と連携を図り、学校外の人間関係や自己表現できる場をできるだけ多くもたせることにより、

被害児童が追いつめられた心情になることを防ぎます。

 ・ 解決にあたっては、児童・保護者・担任等の参加による「修復的な対話」場面の設定をするなどして、単に加害者、被害者の関係で収束させず、互いの心情を知ったり思いやったりできる指導を行います。

 ・ 経過観察を行い、児童の様子を交流する機会を設定します。

 

 ④ 保護者及び関係機関への報告と連絡

  ・ 保護者に対し、事実と指導内容、今後の指導方針を率直に伝え、ともに解決に向けて協力していけ

るよう関係を築きます。(伝えづらい情報も隠しません。)

  ・ 重大事態は、町教委や警察、児童相談所等の外部機関と連携して解決にあたります。

 

 

 

4 いじめの対応組織

 ○ いじめに対処するため、校内に以下のメンバーによる組織と機能をおきます。

 〔校内いじめ防止委員会〕

 校長・教頭・指導部長・各学級担任・(養護教諭)+必要に応じて外部委員

 ・ 委員会の招集は、メンバーのいずれかまたは他の教職員の求めがあった場合とします。

 ・ 会議の進行は、指導部長が行います。

 ・ 後に検証が必要になったときのために、協議内容の議事録をとります。(教頭)

 ・ 委員会は次の役割を担います。

 「具体的な年間計画の作成・実行・検証・修正」「いじめの相談・通報の窓口」「いじめの疑いに係る事実関係の聴取と整理」「いじめの認知・判断」「指導や支援の体制・対応方針の決定」「保護者・外部機関との連携」

 〔第三者委員会〕

 ○ 重大事態発生時には、町教委と連携し、第三者機関を設置し対処します。また、状況によっては「北海道いじめ問題等解決支援外部専門家チーム」を活用します。

 ◎ 重大事態の対応

 ① 重大事態の発生と報告

  ・ 重大事態が発生した場合、速やかに教育委員会に報告します。

  ・ 重大事態の発生報告など法等に基づく措置の徹底については法第28条に基づく重大事態に係    る対応については、平成29年3月21日付け教生学第1189号で通知した「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」を踏まえて、適切に対応します。

 

 ② 重大事態に対する調査及び組織

  ・ 重大事態であると判断した場合は、速やかに当該重大事態に係る調査を行います。(いじめ防止対策推進法第28条)

  ・ 調査は教育委員会と連携して実施し、調査により明らかになった事実関係について、いじめられた生徒や保護者に対して、適切に情報提供を行い、説明責任を果たします。

  ・ 調査用紙の内容などについて、外部の有識者などの意見を取り入れるなどして作成し、信頼    性・妥当性の高い調査となるように意を配ります。

  ・ 調査方法について、特に生徒の自殺があった場合は、「児童生徒の自殺が起きたときの背景調査の在り方について(平成23年6月1日 文部科学省初等中等教育局長)」を参考にします。

  ・ 調査により明らかになった事実関係は、いじめを受けた生徒・保護者に対して説明します。

 

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